双極性障害II型の俺の「ワーク」「ライフ」バランス

フリーランス Advent Calendar 2017 18日目はなんだかんだでフリーランスも7年生?になった私ナターシャ(通称)の記事です。
※ 私はニートから緩やかにフリーランスになったので実際のところは何年生かわかりません。

今年はワークとライフのシーソーがうまくバランスを取れた年だったと思うので、そのお話をしたいと思います。

最初に

毎年このテーマで何かしら書いていてその度にお話しているのですが、私は双極性障害II型という病気を持っています。
なぜ毎回この説明を入れるかと言うと、私はこの病を抱えたことによって職を転々とすることを余儀なくされて、結果的にこの仕事(そしてこの生活)にたどり着いたという経緯があるからです。そして「この病を生きている」と言っても過言ではないほど、この病は生活の基底に横たわる私の前提条件だからです。

というわけで、双極性障害Ⅱ型についてざっくり症状(私の場合)を紹介します。

  • 気力体力の消耗が激しく週5で会社に通勤するのが難しい。
  • 気分の波が激しく、うつ状態がひどい時には何もできない。(過眠になります。日に20時間ぐらい眠ります。)
  • それに伴う、自己嫌悪、自己否定
  • 人と一緒にいることのストレスが激しい時がある。
  • 私の場合、躁状態は短く軽い。
  • 今日思いついた比喩。生理の5倍ぐらいのやつが月に2、3回来る。

私はこの話をする時に、いつも少し思い切りが必要になります。
こういった症状を説明することによって、私への仕事の依頼を躊躇されるのが怖いからです。ややこしいところもあるけど、手なずけるとまあまあよく頑張るいい子です。どうぞ最後まで読んでみてください。

今年の私のワークライフバランス

さて、今年の話に戻りますが、何が良かったって、ど鬱が来ませんでした!やったー!おめでとう!えらい!
ど鬱っていうのは具体的に言うと、生理10倍級のやつが週単位で続いて、死にたくなるやつです。それ以上具体的には紙面の都合上言えませんが。
そういうど鬱が全く来なくなり、そして全体的に鬱の波が浅くなり、「普通」の時が増えました。はあ、普通になりたい。(心の声)
というわけで今の生活は私にとってバランスがいいんだな、と思っています。

そんな私の一週間はこんな感じ。

① 40% — 時給のお仕事
② 15% — 月額固定のお仕事
③ 40% — 体力温存、遊びの時間、趣味の時間、個人のお仕事

半分以上が安定収入のお仕事、残りの時間が健康を保つためのバッファの部分で、その余力で個人のお仕事をしているというバランスです。

① 40%(デザイン4割、コーディングや構築6割ぐらい)
株式会社nolaで週3でアルバイトをしています。
友人である池田さんが社長をしている会社で、池田さんから声をかけていただき週3のペースで働いています。
週3とは言いながら、通勤は週1程度で、残りの2日はリモートで家で仕事をしています。
他に通院がある時や病気が辛い時などにもフレキシブルに対応していただいています。
私にとってはこの職場に出会えたことが、精神の安定にとてもいい影響を与えています。

以下、双極性障害の人を職場に迎えようとしている企業の方へのヒントになるのではないかと思うのですが、私がnolaで働く中で救われているポイントを挙げてみます。

  • リモートワークを推進している。
    リモートで仕事ができると「体調が悪い時でも仕事する」ということに対する心理的なハードルが下がります。 家を出て電車に乗って人がいる場所で人と話して、ということが体調が悪い時にはとても重い足枷となるのです。
  • 基本的なやり取りはチャットワークで完結している。
    私は基本的に電話が苦手です。
    こう見えて昔はワンコールで電話を取らなきゃいけない職場で活躍していたのですが笑、現在は体調の悪いことが多いので、こちらが臨戦態勢でない時にかかってくる電話には怯んでしまいます。電話だとこちらの体調がもろに出てしまうのも、逆にストレスだったりします。
    (他にもスムーズに仕事を進める上でチャットワークが優れている点はいろいろありますが割愛)
  • 職場の方々が気持ちのいい人ばかり。
    この環境は簡単に作れるものではないと思いますが、みなさん穏やかな方ばかりなので出社での勤務もリラックスした状態で臨むことができます。
  • 仕事をする上で些細なことでも褒めてもらえる。
    双極性障害やうつの方は自己評価が低い方が多いです。
    私も実務経験が乏しい状態でこの仕事に就いたことや人並みに働けないことに対して大きなコンプレックスを抱えています。 その中で「自分がやった仕事を褒めてもらえた=認めてもらえた」という体験の積み重ねは、自信を持って仕事に取り組めるようになるために必要なことだったようです。

② 15%(デザインとコーディング半々)
アパレルブランドのLPなどのお仕事をしています。こちらもリモートワークなので助かっています。
また、綺麗な写真を使って、素敵なお洋服を扱えるのは単純にテンションが上がります。
短納期なのが玉に瑕。(常に体力気力をペース配分して使っているので急な予定変更にはとても弱いのです。)

③ 個人のお仕事(ディレクション、デザイン、コーディング、構築)
直のお仕事を少々。来年はここのボリュームをもう少し増やしていきたいです!
というのも、現在はワークとライフのバランスが取れてきている状態とは言え、やはり生活は経済的には苦しく(幸い体力的には安定しているので)「もう少しだけ頑張りたい」ところなのです。どんな仕事をしていきたいかについては後でお話しします。
納期長めで、電話少なめの、いい感じのお仕事があれば、ぜひご紹介ください。「いい感じの」です!

そんな私のワークライフバランスな一日はこちら

通勤のある日。

普通のホワイトな会社員という感じではないでしょうか。
ちなみに終業後に社長と管を巻くのを楽しみに一日を乗り切っています。

通勤のない勤務日

緑の時間は体調によっては寝ていることもあります。(わりとあります)
体調がいい日(躁気味の日も含む)は緑の時間も含めて一日中仕事していることもあります。

また別の日(主に休日)

布団の上で屍になっている日もあります。
通常の勤務日でもこういう状態の日が去年以前には定期的にありましたが(もちろん休業)、今年は勤務日にここまでひどい鬱はなかったです。

日々を忙殺されている方はちょっとむかついたんじゃないでしょうか。。。優雅だなって思われたんじゃないでしょうか。。。私、わりとそういう空気感じてます。。。
でも、私は私のペースを維持してやっていくことが、私にとって一番大事なことだと言い聞かせて、ワークとライフのバランスを取っていきたいです。

これからの話

もう少し個人の仕事を増やしたいというお話をしたのですが、以下のような理由があります。

  • 体調が安定してきたり、仕事のしかたが少しわかってきたりしたので、全体の仕事量を少しずつ増やしていきたい。
  • 個人で取って個人で切り回す仕事というのをもっと積極的にやっていきたい。
    「小規模のサイトを、オーナーさんと一緒に作り上げていくという経験をもっとしたい」、「クライアントさんから直でお話を伺って、それを形にして、喜んでいただく、というシンプルな流れを多く経験したい」という気持ちが強くあります。
  • ディレクションとデザインをもっとやりたい。
    私が特にやりたいのはディレクションとデザインの部分なのですが、この部分の経験が圧倒的に少ないと感じているので、多くの案件に出会いたいと思っています。

「小さく」「たくさん」ちいさいと

そんなわけで、「小さく」「たくさん」の案件に出会えるように、こんなプランを考えています。
ちいさいと (ページ作るの間に合わなかった汗)
5万円でできる範囲の一枚もののページ制作を請け負いますよ(小さいお店限定)というサービスです。
ちらっとこういうのやりたいな、とTwitterで言ったら賛否両論(どちらかというと否)が激しかったので、すごく悩んだし今も悩んでるのですが、うまくいかなかったら軌道修正すればいいし、やってみよーっと思ってます。
これはまだページも作りかけだし、また改めて告知しますね。
もし、いい感じのお仕事があればぜひご紹介ください!「いい感じの」です!

できたらいいな。夢のある仕事。

さて、ここからはどちらかというと「できたらいいな」に近い部分のお話です。
今、サイト制作という形で携わりたい業種・分野というのがあるのです。
フリーランスの方(や、そうでない方も)の中には、「デザインの仕事を極めたい」とか「UXを生かした仕事をしたい」とか「マーケティングを学んでクライアントを売っていくことに注力したい」というような自分なりの目的意識を持っている方は多いと思います。
私はそういった技術面での上昇志向が低めで、どちらかというと「こういう人の役に立ちたい」ということがありきでその手段としてWebを使いたいという感覚が強いようです。(他の制作の方もそうかもしれないのですが、「Webは手段」という思いが人より強めだと思うのです。)
もちろん私としてもどんなクライアントかに関わらずいい仕事をしたいという思いはあるのですが、やっぱり「この分野で熱のあるクライアントのために仕事ができたら嬉しい、本望だ」というものがあって、それに携わる仕事を一件でも二件でも増やしていけたらいいな、と思っています。

今やりたいのはこんなことです。

音楽に関わる仕事がしたい。
ミュージシャン、ライブハウス、ライブイベント、音楽にこだわりのあるバー、音楽教室などなど音楽にまつわる方々のサイト作りに関わりたいです。理由は音楽が好きだから。ピュアですみません。

小さなお店のサイトを作りたい。
上でも「ちいさい」案件を受けていくプランを考えていると話をしました。
私自身、ごく短期間ですが小さなお店を営んでいたことがあります。自分でお店を営むということは、自分のポリシーを形にして売って、お客様に喜んでいただく、ということだと思います。そんな自分が愛を注いでいて、お客さんに愛を注いでもらっているような小さなお店のバックアップができたらいいな、と思っています。ピュアですみません。

障害を持っている人など大変な状況にある人にとって役に立つものを作りたい。
私がやりたいのはこれなのでは、という記事に出会ったので、リンクを貼ります。

「娘の存在を愛するのに理由なんていらなかった」私が葛藤を乗りこえて娘の重い障害を受け入れるまで

お子さんが重い障害を抱えてしまった母親の記事です。彼女は娘の障害とだけ向き合うことに疲れ切ってしまった時に、「人と会う」ことを積極的にして自分を取り戻していきました。そしてその経験をもとに、他の障害を抱える子どものママたちとコミュニケーションを取るためイベントなどをしようとするのですが、

医療行為が必要なお子さんなので、10人のママを呼ぼうと思ったら10人の医療行為ができるお留守番人員の都合を合わせないといけません。家族で参加できるイベントでも、ママ一人では子どもを連れての移動は大変ですし、体調も安定しないので当日のキャンセルもあります。

そんな経験を繰り返すうちに私はある日、「オンラインでママ会ができたらいいのでは?」とひらめきました。簡単にアクセスできて安全な場を、インターネットサイト上に作れたら素敵だな。そう考えて、いろんな人にそのアイデアを話すようになりました。

そうか、それだよ。と思いました。
インターネットの世界は障害のある人たち(心身の障害だけでなく社会に出ていくことに対して何らかのハードルがある人を含む)にこそ開かれているべきではないでしょうか。
「障害」と難しく考えなくとも、「子育てに仕事に追われていて、買い物に行くのも大変」という状況でネットショッピングに頼ることはよくあると思います。
同じように、目が見えない人や足の動かない人にとって、誰かのサポートなしに外出することが難しくともインターネットがあれば情報を得られたり買い物できたりするということの恩恵は大きいはずです。

ネットの中では「健常者による健常者のための」サイトがたくさんあります。その中には少しの努力で障害のある人にとって開かれたサイトになるものも多くあります。
「目が見えない人はうちの商品は買わないから」「人口における障害者の数を考えればうちのサイトがそれに対応する必要性は小さいのでは」という反応はありがちですが、「むしろ障害があるからこそインターネットを使っている」という人は健常の人の想像以上に多いのではないでしょうか。

なんだかアクセシビリティの話にもなってしまいましたが(昨日アクセシビリティの勉強会に出ていたので感化されまして)(アクセシビリティには当然取り組んで行くとして)、「社会に出て行くのにハードルがあるからこそネットの世界で活動している」人々に焦点を当てたコンテンツ作りやシステム(のデザイン)作りをしていけたらいいなという夢を持っています。ピュアです。
これについてはまた別途考えをまとめて記事を書けたらいいな、と思っています。

こんなお仕事がしたいと思っていますので、いい感じのお仕事があればぜひご紹介ください。「いい感じの」です!

まとめ

以上が、双極性障害Ⅱ型の俺のワークライフバランス(と夢の話)です。
夢の話も付け足しておこうと思ったら、むしろそっちが長くなってしまった。

この長文をまとめますと、ピュアな私だけど、いい感じのお仕事ぜひください!できる範囲で頑張るよ!ということです。
何卒よろしくお願いいたします。

余談なんですが、「ワークライフバランス」という言葉、ワークが最初なんですね。
私は何度も「ライフワークバランス」と打ち間違いながらこの記事を書きました。私にとってはこっちが正解なんですよ。
「ライフ」は「生活」だし「人生」だし「『もうやめて!とっくにライフはゼロよ!』のライフ」なんですよね。ライフがあってこそのワークがある。私は来年もライフを守って生きていきます!

神戸でフリーでWebデザイナーをやっています。 よく飲みよく食べよく寝ます。 お問い合わせ
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